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健康になるための方法について、様々なことが伝えられています。
一番確かな検証は、
その方法を試した自分と、試さなかった自分を比べてみること
なのですが、物理的に無理ですね。
「 私たちは何も知らない 」をスタート地点にする
試した自分と試さなかった自分を比べることは無理ですから、
信じる、ということが必要になります。
ただ、権威が言ったことだから、よく聞くことだから、
などという信じ方はお薦めではありません。
多くの人は、権威の言うことや、
頻繁に入ってくる情報を信じる傾向があります。
脳のクセですね。
誰が言ったことであっても、一度よく考えて、
自分の知識として信じられるかどうか判断して下さい。
お伝えしているように、
健康に関するほとんどの情報は、仮説でしかありませんから、
必ずと言っていいほど反対意見があります。
仮説と反対意見を比べて、
自分が信じられる考え方を見つけてください。
「 私たちは何も知らない 」ということを
情報を判断する基準にするよう、常に心がけるようにしてください。
そう心がけていれば、
その情報が信じるに値するものかどうか、判断は簡単です。
恣意的な情報は、情報自体に
穴や強引な理論の展開があるからです。
コレステロール低下薬を槍玉に挙げてみますが
例えば、多くの人が、
悪玉コレステロール値が高いと早死にするから、
数値を下げなくてはいけない。
と思っています。
ところが近年、
コレステロール値を下げる効果のある薬剤に関して、
多くの専門家が、コレステロール値を下げる必要があるのか?
という疑問を投げかけています。
それに対してアメリカの某製薬会社は、
スタチンという成分を含んだ薬剤について
「大規模な臨床試験で、偽薬(砂糖の錠剤)を投与した患者の
3%が心臓発作を起こしたのに対し、薬剤投与患者では2%でした」
として、薬が心臓発作の軽減に役立っていると宣伝しています。
普通は、その記事を読むと、
「なるほど、心臓発作の予防になるんだ」と理解してしまいます。
しかしこの数字は、
3年4カ月にわたる治験の対象者各100人につき、
偽薬を投与した患者のうち3人、
リピトール投与患者のうち2人が
心臓発作を起こした、と報告されています。
つまり、薬による差がどれぐらいかといえば、
心臓発作を起こした人が、100人につき1人少ない。
すなわち、1人の心臓発作を防ぐのに、
100人が薬剤を3年以上服用しなくてはならなかったことになります。
そして、そのほかの99人は、
測定可能な効果は得られなかったということになります。
効果に疑問を持つ専門家に対して、
製薬会社は、
数値が示す通り効果は小さいものの、
何百万人もの患者が使用している以上、
1000人単位で心臓発作を防ぐことができる、と主張しています。
実に強引な理論展開ですね。
一人の心臓発作の危険性を防ぐために、
何の効果もない(かもしれない)薬を99人が飲む必要がある
との主張に合理性があるかないか、考えてみて下さい。
何年も薬剤を服用しても効き目があるのは100人に1人。
しかも下痢や筋肉痛などの副作用があり、
加えて年間数万円ほどかかります。
と説明したとしたら、誰がすすんで飲むのでしょうか?
今現在、コレステロールの低下薬を飲まれている方は、
ご自分で情報収集してみてください。
次の記事も参考にしてください。
⇒コレステロールと動脈硬化の腐れ縁!?
⇒健康情報・健康産業と上手にお付き合いしましょう。
⇒健康のために心掛けるべき2つのこと
ブログ『薬屋のおやじのボヤキ』さんのこの記事も面白いですよ。
⇒コレステロール降下剤は毒薬
※写真は偏光顕微鏡でみたコレステロールの結晶だそうです。
専門家の方はこの写真からいろんなことを読み取られるのでしょう。