今を生きる 命の神秘

死を理解することは、命を深く理解すること。

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photo credit: linda yvonne via photopin cc

 

人は誰でも死にますが、その現実はなかなか直視できません。

死が目前に迫ったとき、
死んだら死んだ時、と開き直れるものでもありません。

死が迫って来た時、自分の生き様に嘘はつけません。
損得勘定や自己正当化が何の役にも立たないと知る瞬間です。

 
「 死は人生で最もすばらしい経験にもなりうる。
  そうなるかどうかは、その人がどう生きたかにかかっている。

  私は死の床にある人に教えを請うてきた。
  死はただ一回だけの試練だからだ。

  人は死の間際に、目覚ましい変化を遂げる。
  人生の暴雨にも似たそのレッスンは、
  私たちを本来の私たちに立ちかえらせてくれる。」

そう語ったスイス生まれの精神科医、エリザベス・キューブラー・ロスは、
死の専門家といわれて一万人以上の死にゆく人々に寄り添ってきました。

脳卒中に倒れる前まで、精神科医として、
死に直面している人々を力づける仕事でした。

 
以下は、死が迫り来る中、インタビューに答えたものです。

 
 私は神に「あなたはヒトラーだ」と呼びかけた。

 まるでヒトラーだ、と言ったのに、神はただ笑っていた。

 40年間も神に仕える仕事をしてきて、やっと引退しようと思ったら
 脳卒中で何もできなくなってしまった。

 庭仕事も、ハイキングも、ただ歩くことさえね。

 本当に忌々しい。

 だから神をヒトラーと呼んだのよ。

──お気持ちが分かるとは言えないかもしれません。

 あなた、ここに毎日15時間も座っていたいと思う?
 ここに馬鹿みたいにずっと座っていたい?

 お茶を飲みたくても、誰かが入れてくれるのをただ待っているだけ。

 そんな生活が楽しいと思う?

 
彼女は死にゆく人にこんなことを言っていました。

「 恐怖とか何かの罰とかではなく、
  何かもっと前向きなこととして考えられればいいんですが。

  あなたは娘さんとは上手に話ができています。
  御主人や息子さんや私とも話せるようになるはずです。
  そんなに難しいことじゃない。

  こうやってあなたのお世話をすることで、
  娘さんたちも得るものがあるんです。

  病気と闘うあなたの勇気や愛は、子どもたちへの贈り物ですよ。
  どうかたくさん贈り物をしてあげてください。」

人生の最後でモノを言うのは、お金でも地位でもない、
愛であると語った、キューブラ-ロス博士。

40年以上にわたって、数千人にのぼる人たちの最期を看取った
死の専門家に、自分自身の番が回ってきました。

 
──苦しむ患者を助けてきたのに、なぜ自分を救おうとしないのですか?

 いい質問ね。

 私はおかしくなっているわけじゃなくて、
 ただ現実を直視しているだけ。

 むしろ頭はさえているわ。

 だって今の自分に満足なんて、そんなフリはできないわ。

 自分でお茶を入れることさえできないのよ。
 最低の毎日だわ。

 この状態をバラ色だなんて言えるわけがない。

──あなたは自分を愛するべきと本に書かれてますね。

 いや、それには触れないで。
 愛の話なんてしたくないわ。

──なぜですか?

 気分が悪くなる。
 自分自身を愛せって?

 よく言ったもんだ。

 大嫌い。
 私の趣味じゃない。

 誰がそう言ったの?
 殺してやる。

──でも、あなたが書いたことでは?

 私が学ぶべきとされてることよ。

 でもだからといって好きにならなきゃいけないことじゃないでしょ。

 私に言わせれば、自己愛なんて、
 部屋の隅でマスターベーションしているみたいなものよ。
 とにかく好みじゃないわ。

 
死を寛容することが、いかに難しいか、

身をもって教えてくれている、まさに“最後のレッスン”です。

多くの人は、大脳が自分自身だとの誤った認識で生きるのですが、
その大脳は最後に行き場を失います。

 
次の記事もぜひ読んでみてください。
 ⇒命の神秘を理解する、命を感じる
 ⇒宗教と信仰と生きる力

インタビューを引用した元々の番組ではないですが、
それを再編集して放送されたドキュメンタリーがYouTubeにありました。

なかなかよい番組なので時間を作って観てください。(約50分)
生きることと生き様について考えさせられました。

NHK『最後のレッスン ~キューブラー・ロス かく死せり~』

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