食と健康

いまだに根強い?「1日30品目」信仰

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(*)食事バランスガイド(厚生省 2005年)

 

1日に30品目を食べると健康に良い。

あなたは、そう思っていませんか?

「1日30品目」信仰の始まり

1日に食べる食品数を、私たちが意識し始めたのは、
1985年に旧厚生省が発表した「健康づくりのための食生活指針」で、
栄養のバランスをとるため、「1日30品目を食べよう」と呼びかけられてからです。

その頃は、インスタント食品や惣菜などの加工品が定着し、
ファーストフード店なども一気に増加し、
栄養のアンパランスが懸念されたことが、背景にあったようです。

健康を維持するためには、栄養をバランスよく摂ることが基本。

そのためには、できるだけ多くの食品を
まんべんなく食べることが大切と考え、30品目となったのです。

しかし、2000年に改訂された新しい食生活指針では、
「主食、主菜、副菜を基本に食事のバランスを」とあるだけで、

「1日30品目を食べよう」という項目は、消えてしまいました。

新しい食生活指針 

○食事を楽しみましょう。

○1日の食事のリズムから、健やかな生活リズムを。

○主食、主菜、副菜を基本に、食事のバランスを。

○ごはんなどの穀類をしっかりと。

○野菜・果物、牛乳・乳製品、豆類、魚なども組み合わせて。

○食塩や脂肪は控えめに。

○適正体重を知り、日々の活動に見合った食事量を。

○食文化や地域の産物を活かし、ときには新しい料理も。

○調理や保存を上手にして無駄や廃棄を少なく。

○自分の食生活を見直してみましょう。

  (2000年3月、当時の厚生省・農林水産省・文部省により共同策定)

厚生労働省生活習慣病対策室は、
「30という数字を絶対化して食べ過ぎてしまう例もあり、
 誤解を招かないように、数字はやめた」
と説明しています。

元々はアメリカから伝わった考え方のようですが、
日本人は几帳面な性格なのか、30という数字にこだわり過ぎたようです。

「バランスよく」するはずのところが、むしろ
「栄養過多」になってしまうケースが見られたわけですね。

1日30品目を食べると健康に良い、とのキャンペーンが派手だったため、
人々の印象に深く残ることになりました。

そのため、厚生省が食生活指針への表示を取りやめて11年も経つのに、(**)
今でも30品目にこだわっている人を多く見かけるのです。

いつもお伝えさせていただいているように、
こと健康に関する情報は、暫定的なもの、恣意的なものがほとんどです。
厚生省ですら、年数が経つと、見解を変えるようなものなのです。

いわんや、商品を売るための健康情報は・・・
推して知るべし、です。 

私たちの健康や病気に関する知識なんて、まだまだ乏しいものだ、
と知りましょうね。

ただ、私は少量多品目の食事には賛成です。
だって、いろんなものが食べられるんですから。

 (*)厚生労働省・農林水産省共同策定(2005年)「食事バランスガイド」より
 (**)この記事は、2011年11月に執筆されました。

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