私たちの日常の行動や選択は、無意識のうちに本能によって導かれていることが多いと私は考えています。
その本能はどのように働き、私たちはそれをどの程度コントロールできるのでしょうか。
今回は、脳と本能の関係性を解明し、自分の意思で脳の働きを制御する方法について探ってみましょう。
自分の意志で思考することが出来れば、転職での悩みの多くは消えてなくなるはずです。
脳と本能の関係性:ベンジャミン・リベットの研究から
無意識が意識に先行するメカニズム
1980年代、アメリカの生理学者**ベンジャミン・リベット**は、人間の自由意志に関する画期的な研究を行いました。
彼の実験では、被験者が自発的な手の動きを行う際、その動作を意識的に決定する前に、脳の活動(準備電位)が先行して起こっていることを発見しました。
この結果は、**「私たちの意識的な決断よりも前に、脳は無意識のうちに行動の準備を始めている」**ことを示唆しています。
つまり、私たちが自由だと思っている意思決定は、実は無意識な反応に影響を受けている可能性が高いと考えられています。
私はこの理論に触れた時、この脳の無意識な働きを本能と仮定しました。
本能的反応の役割
この無意識の本能的反応は、進化の過程で生存に有利なように形成されてきました。
危険を察知したときに素早く反応できるのは、この本能的な仕組みのおかげです。
しかし、現代社会ではこの本能が過剰に働き、不安やストレスを増幅させる原因となることが多いのです。
本能を超える自由意志の活用:ベルリン大学の研究から
脳の働きを制御する可能性の発見
2015年、ドイツの**ベルリン大学附属病院**の研究チームは、リベットの研究をさらに進める実験を行いました。
被験者に対して、自発的な動作を行うよう指示しながら、その決定を直前で取り消すことができるかを検証したのです。
結果、被験者は動作の直前に意識的にその行動を抑制できることが示されました。
これは、無意識の本能的反応に対して、意識的な「自由意志」で介入できる可能性を示唆しています。
つまり、完全に本能を排除することは難しくても、それをコントロールし、自分の意思で最終的な決断を下すことができるのです。
本能を理解しコントロールするための具体的な方法
1. 自分の本能的反応を認識する
まずは、自分がどのような状況で本能的な反応を示すのかを知ることが大切です。
例えば、ストレスを感じるときや、衝動的に行動してしまう場面を振り返りましょう。
2. マインドフルネスの実践
マインドフルネスや瞑想は、現在の自分の状態を客観的に観察する訓練です。
これにより、無意識の反応に気づき、それに流されずに済むようになります。
3. 意識的な呼吸と一時停止
何か行動を起こす前に、深呼吸をして一瞬立ち止まる習慣をつけましょう。
この短い間に、自分の本能的な反応と意識的な選択を区別することができます。
4. ポジティブな言葉を使う
ネガティブな思考に陥りそうなときは、意識的にポジティブな言葉やフレーズを使って思考を切り替えます。
これは脳の認知パターンを変える効果があります。
5. 継続的な学習とフィードバック
自分の反応や行動を記録し、定期的に見直すことで、パターンを把握しやすくなります。
また、信頼できる人からのフィードバックも有益です。
本能と自由意志のバランスを取ることの重要性
本能は私たちの生存に欠かせないものですが、現代社会では時にそれが足かせになっているのです。
自分の本能を理解し、必要に応じて意識的にコントロールすることで、より充実した人生を歩むことができます。
– **意思決定の質が向上する**:感情的な反応ではなく、冷静で客観的な判断が可能になります。
– **ストレスの軽減**:無意識の不安や恐れに振り回されず、心の平穏を保てます。
– **人間関係の改善**:衝動的な言動を抑え、建設的なコミュニケーションが取れるようになります。
まとめ:本能を理解し、自分の人生を自由にデザインする
ベンジャミン・リベットの研究やベルリン大学の新しい発見から、私たちは本能と自由意志の両方を持ち合わせていることがわかります。
本能を否定するのではなく、それを理解し、上手に付き合うことで、自分の人生をより良い方向へ導くことができます。
今日から、自分の無意識の反応に気づき、意識的な選択を増やしていきましょう。
それが、自分自身を解放し、望む未来を創り出す第一歩となるはずです。
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