〜「決められない」は、あなたが弱いからじゃない〜
■ なぜか決断できない──それは“正常”な反応です
「もう辞めたい」「でも今じゃないかも…」
そんなふうに気持ちが行ったり来たりして、モヤモヤし続けることはありませんか?
実はそれ、あなただけではありません。
多くの人が、**「転職したいのに気持ちが定まらない」**という悩みを抱えています。
でも安心してください。
それはあなたの意志が弱いからではなく、人間の本能的な防御反応によって起きているものなんです。
■ 原因は「本能」と「思考」のせめぎ合い
人間には二つの脳の働きがあります。
- ◆ 思考脳(前頭前野)…論理的に未来を考え、判断を下す
- ◆ 原始脳(大脳辺縁系)…不安や恐怖など感情を司り、生存を最優先する
転職は、今とは異なる未来に飛び込む行為です。
思考脳は「より良くなる可能性がある」と判断しますが、原始脳は「変化=危険」と見なして、不安や迷いを生み出します。
あなたの中でこの2つがせめぎ合い、気持ちが定まらなくなってしまうのです。
また原始時代では少しの失敗でも死につながったと推測できます。
その遺伝子を受け継いでいる私たちも必要以上に失敗を恐れます。
今の仕事に就いたのを失敗だと思いたくないので、今の状況に理由をつけてでも正当化しようとします。
ブラックと呼ばれる企業であっても、そこに価値を見出そうとしてしまうのです。
■ 原始脳は「現状維持」を強く求める
私たちの祖先にとって、“変化”は常にリスクでした。
たとえば:
- 知らない場所に行けば、命の危険があった
- 食べ慣れないものを食べれば、体調を崩す可能性があった
だからこそ、人間は進化の過程で「現状維持を選ぶ」という本能を手に入れたのです。
現代ではそれが、転職という決断を鈍らせる要因になっています。
■ 自分を責めないで──転職したいのに気持ちが定まらない ──それは本能が働いている証拠
「どうしても決められない自分が嫌だ」
「また逃げてしまうのかも…」
そんなふうに、自分を責めてしまうかもしれません。
でも実は、本能がきちんと働いているだけ。
あなたの脳は、「今のままが安全」と判断しているのです。
だからといって、変わってはいけないわけではありません。
本能を理解することが、次の一歩のヒントになるのです。
■ 不安が強いときにやってみてほしいこと
気持ちがぐるぐるしているときには、「言語化」が有効です。
以下の質問に、自分なりの答えを紙に書き出してみてください。
- なぜ転職したいと思ったのか?
- 辞めたら何が一番怖いのか?
- 変わってほしくないことは何か?
言葉にすることで、感情の霧が晴れていきます。
そして、「本当はどうしたいのか?」という問いに、少しずつ答えが見えてくるようになります。
■ まとめ:あなたは迷っているのではなく、準備をしている
「転職したいのに気持ちが定まらない」のは、弱さでも優柔不断でもありません。
それは、あなたが自分の人生と本気で向き合おうとしている証です。
だから、自分を責めないでください。
そして少しずつ、本能の声と対話をしながら、**“本当の自分の声”**に耳を傾けてみてください。
あなたの次の一歩は、そこからきっと見えてくるはずです。
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