脳の性質あれこれ

不安の正体

不安は脳に備わった生存するための感覚

私が経験したパニック障害の最大の症状は「不安」です。

不安症や不安障害と呼ばれることもある症状です。

発病する前に感じる不安は自分の頭から出現している感覚がありましたが、発病後のパニック発作に関する不安は自分で作り出した不安ではなく、強制的に脳に押し付けられたような不安という感覚でした。

そのことが脳について学ぶきっかけになったのですが、当時は不安に押しつぶされそうな感じのせいで、正常な精神が保てないのではとさらに不安にかられたものでした。

パニック障害を発症してから半年ほど経過したとき、大きな安心感に包まれるというスピリチュアルな体験でパニック障害が一気に軽快しました。

発症してから3か月くらいは病院通い、発症当時はパニック障害という病名がなかったので、自律神経失調症や心臓神経症、不安神経症などの病名が付きました。

処方されたいろいろな薬も試しましたが一向に症状は良くならず休職3か月を経過したことから、会社も辞めなければいけないことになり、生活の不安も加わりました。

そのころになると、もう病院では治らないだろうなと感じていました。

周りの人からの誘いもあり、あちらの宗教、こちらの宗教と治りたい一心で通い始めました。

それでも相変わらず押し付けられるような不安は続き、焦りも手伝い、絶望感を抱く日々でした。

そして極め付きの出来事が起きました。

除霊をするお寺の新聞広告が目に入り、不安症のようなものも治るとあったので、2時間足らずならばなんとか耐えられるだろうと、新幹線に乗りそのお寺に向かいました。

目の前に座ったお坊さんが何やらお経のようなものを唱え、15分ほどすると「はい、もう治りました」と告げられました。

帰りの新幹線に乗るため駅のホームのベンチに座ると自然に涙があふれてきました。

治りましたと言われても感覚は全く何も変わらず、強い不安は残ったまま。

夕暮れ前の駅のホームの静けさと、こんなとことまで出かけてきていったい何をやってるんだろ、という情けなさとが合わさって経験したことがないほどの落ち込みと絶望を感じました。

家に帰り、もう何かに頼ることはやめよう、治してもらおうと思うのもやめようと決めました。

それからは、あれほど考えるのが嫌だった「死」について考え始めました。

死ぬとはどういうことか、生きるとはどういうことか、生まれて初めて真剣に考えること数日、突然自分は大きな力の中で生かされていると実感し、安心感に包まれたのです。

それはとても心地よいもので、不安も恐れも何もない感覚でした。

そのスピリチュアルな体験が、瞬間でパニック障害から抜け出るきっかけになり、発作はまだ続いたものの心が動かず大きな安心感に浸っていました。

数か月もすると発作自体激減し、パニック障害発症前の状態に戻ることが出来ました。

生死について考えている時に不安についても考えを巡らせることがありました。

まずは、なぜ不安を感じるのだろうかということから。

なぜ不安を感じる

不安は自分の身を守るために備わった感覚の一つと考えています。

人間に限らず、弱い動物ほど心配性でないと生き残れなかったと推測できるからです。

厚生労働省のホームページにも、パニック障害は死の危険から生き延びるために準備されている反応、と解説されています。

身を守るために備わったであるならば不安は、分からないものに抱く感覚だと言えます。

つまり、人間関係の不安も、人生に対する不安も、その他もろもろの不安も、突き詰めて考えれば「どうなるか分からない」ことが原因だということです。

パニック障害も発作が来るのが不安なのですが、突き詰めてみると発作の恐怖の先がどうなるのかが分からないことが対処しようのない感覚となって表れているにすぎません。

パニック障害の場合は、その他の多くの病気の場合と同じく最終的には死の不安です。

私は自分の命は永遠であること、その命は大きなエネルギーの一部であることを体感したことで安心し、死の恐怖から逃れることが出来、結果としてパニック発作が怖くなくなりました。

不安から逃れるのは、不安の先を突き詰めて考え、何を恐れているかが分かり、それを克服する方法を見つければ良いことになります。

言葉では簡単ですが実際にはそう簡単なことではないと思います。

ただ、自分の不安の正体を考えることは不安を軽減させる最良の方法です。

事実私がカウンセリングした多くの方が、不安とは分からないときに抱くものと理解しただけでも気が楽になったと言われます。

何が分からないから不安を感じるのかしっかりと考えるほうが、ただ漠然と不安を感じているよりはるかに有意義だと思ってください。

ただし、不安を見つめようとすると脳が邪魔をします。

脳は不安から逃れたいという強い欲求を持っています。

人類誕生以来培ってきた性質ですね。

脳はとにかく不安から逃げようとします。

不安について深く考えたくないと仕掛けてきます。

不安を見つめようとすると更なる不安を感じることになります。

そこをぐっと我慢して考えましょう。

順序だてて何を不安に思うのかを考えれば最終的に自分が一番不安に思っていることに行きつきます。

あとはそれを解決すればいいだけですが、残念ながらそれの根本的な解決はできません。

誰も未来のことは分からないからです。

基本的には突き詰めて考えて、そうか分からないのか、という結論に達するだけで十分です。

そこに至る過程でいろいろな気づきがありますので、何も考えずに不安に駆られている時と違って、不安の対象がはっきりとした分、気持ちは少し楽になるはずです。

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