自律神経を整えるいろいろな方法
自律神経を整える方法として原始体験をすることが有効だとお伝えしましたが、それ以外にもいろいろな方法が有効だと考えられています。
たき火をする
手軽ではないけど、とても効果の高い方法です。
たき火を見ると、どこか懐かしく思えますよね。
遠い昔、私たちの祖先が家族や仲間で火を囲んでいた光景が想像できるからでしょうか。
原始体験の一つですね。
たき火を見て、腹立たしくなる人はいません。
揺らぐ炎を見ることで、気持ちが安らぎます。
結果として自律神経が整います。
ただ、なかなか都会の中でのたき火はいろいろな問題があり、現実的ではありません。
そこで、効果は少し落ちますが、たき火に変わる方法が、ローソクです。
それも、一般的な石油が原料のパラフィンローソクではなく、蜜ローソクか和ローソクです。
蜜ローソクはミツバチの巣から作るローソクで、奈良時代に仏教とともに日本に渡来しました。
和ローソクはハゼの木の実から取れる木ろうが原料です。
最近では、国産の木ろうだと価格が高くなり過ぎるため、輸入した木ろうで製造され価格も手ごろなものがあります。
蜜ローソクや和ローソクの大きな特徴は、不規則に上下動する炎のゆらめきで、たき火に近い感覚を私たちに与えてくれます。
特に和ローソクは燃え方が美しく、眺めていると不思議に心が落ち着きます。
揺らぐ炎を見つめるだけで心が自然に反応します。
たまには電気を消して、揺らめくローソクの炎の下で晩御飯はいかがですか?
朝日を浴びる
朝日を浴びることで、脳幹は一日を活動的に過ごすために必要な快楽物質を分泌してくれます。
朝日を浴びることで、自律神経のリズムが良くなります。
朝日を浴びることで、脳から出ているメラトニンという睡眠をつかさどるホルモンが、やる気のもととなるセロトニンというホルモンに、速やかに置き換わることで、さわやかに目覚めることが出来ます。
などなど、理論的にはいろいろありますが、人間は夜行性ではなく、昼間活動する動物です。
人類の歴史は、石器時代からでも二百万年経過しています。
二百万年もかけて、私たち人間は地球で生きていくいろいろな仕組みを手に入れました。
朝起きて、夜眠るというリズムを二百万年もかけて作り上げてきたのですから、体にはそのリズムが染みついています。
活動的な一日を始めるためのスイッチが朝日の光なのです。
ただ、あまり朝日にこだわる必要はありません。
朝起きるのが苦手な人は昼間の光でも構いませんので、一日に五分でも、十分でもいいですから、太陽と友達になってみましょう。
夜更かしをしない
朝日を浴びることとつながるのですが、私たちは長い年月をかけて太陽と共に暮らすリズムを身につけました。
だから、夜更かしは体内時計のリズムを狂わせ、自律神経の働きを悪くします。
私たちは、さぁ寝ましょう、といって寝るわけではありません。
自律神経の働きが副交感神経主体になり、脈拍を下げ、血圧を下げ、寝るための準備が出来てようやく寝ることが出来ます。
そのためのホルモンも分泌されます。
日が沈んでしばらく経過すると、副交感神経が主体に働き、体が寝る準備を始めます。
そして、準備が整うと、眠たくなります。
でも、仕事だ、家事だ、遊びだ、と寝ないで頑張ると、脳幹は再び活動ホルモンを分泌しなければなりません。
自律神経の交感神経を主体に切り替えることもします。
仕事や家事が済み、さぁ寝るぞとなると、脳幹は急いで自律神経やホルモンを切り替えなければなりません。
子供のころを思い出してください。
晩御飯が済んでしばらくすると、眠くなりましたよね。
そのうちぐっすり。 自律神経の思うままでした。
ところが大人になると、自律神経の働きを崩してまで、いろいろな用事をこなすようになります。
そんなことが続くと・・・
自律神経は、夜になっても副交感神経への切り替えをしなくなります。
不眠症の始まりですね。
不眠症は自律神経の働きを、無理やり崩し続けた結果、自律神経が寝る準備をしなくなった病気です。
もちろん、病気などで自律神経の働きが悪くなった場合にも、不眠症が起こることもあります。
いずれにしても、治すためには自律神経に再び仕事をしてもらわなければなりません。
そのためには、太陽のリズムと日常生活の活動リズムを一致させることが必要になります。
朝早く起きることも大切ですが、遅くとも夜11時までには寝るようにすることで、自律神経の働きが整うようになります。
三か月から半年もすると、体のリズムが取り戻せますので、試してみてください。
お気に入りの中で生活する
ストレスの解消に大いに効果のあるものなのですが、ストレスだけでなく、五感から自分を刺激します。
人間は自分を置く環境に、微妙に影響を受けます。
良い環境からは良い影響を、悪い環境からは悪い影響を与えられます。
安らぎの場である自分の部屋の環境を良くするだけで、心が落ち着きます。
気持ちだけでなく、体にも直接影響があります。
先進国の寿命が延びたのは、医学はもちろん、衛生面の向上も大きな要因の一つです。
身の回りをきれいにすることは、衛生的であるとも言えます。
周りを見回して、きれいでないと感じた方は、少しずつで良いですから、きれいにしてみてください。
出来れば、思い切ってお部屋の模様替えをしてみてはどうでしょう。
好みのカーテン、好みのカーペット、好みの小物もそろえたいですね。
好みの音楽を聴いたり、好みの本を読んだり、とにかく部屋や生活をお気に入りで満たしてやることです。
仕事や人間関係などでは、とかく我慢が必要です。
せめて自分の部屋にいる時くらいは、わがままに。 頑張って自分好みの空間を作りましょう。
マッサージを受ける
人と触れ合うことで、脳は「快感」を感じます。
上手に体を刺激してもらうと、深いリラックスが味わえます。
また、体への適度な刺激は血流をよくする効果もあります。
プロの人に刺激してもらうのが理想ですが、家族に刺激してもらっても効果はあります。
あまりツボを意識せず、気持ちのいい刺激を受けてください。
また、体調の悪い家族がいたら、出来るだけ触ってあげてください。
「気持ち良い?」と聞きながら、最も気持ち良いと感じてもらえる場所を探してください。
ただし、いくら気持ち良いからと言っても、同じ場所を長時間刺激するのは逆効果です。
おなじ場所への刺激はせいぜい五分くらいを限度にしてください。
私は脳幹へ一番近い首を正常な状態にすることを重要に考えています。
長年いろいろなお客様を触れてきた経験から、体調の悪い人は必ずと言っていいほど、後頭部から首にかけての筋肉が硬くなっていると感じていて、この部分を丁寧にもみほぐすと、脳幹の活性に少なからず効果があると考えています。
自分で意識して、首の筋肉をほぐすようにすると気持ち良いだけでなく、体調の向上にも効果があります。
私たちの命を支えているのは原始脳と呼ばれる発生学的に古い脳です。
私たちには脳幹という部分がその働きを担っていますので、原始脳という性質が抜けていない以上、体に変調を感じたときは脳幹を刺激する方法はおすすめです。
自律神経を整えることは、パニック障害を軽快させるだけでなく、身体にも好影響を及ぼしますので生活の質を上げることにつながります。
3. ストレスを解消する
そもそもストレスって何でしょう? 厚生労働省のホームページでは次のように説明しています。
そもそもストレスとは、外部から刺激を受けたときに生じる緊張状態のことです。
外部からの刺激には、天候や騒音などの環境的要因、病気や睡眠不足などの身体的要因、不安や悩みなど心理的な要因、そして人間関係がうまくいかない、仕事が忙しいなどの社会的要因があります。
つまり、日常の中で起こる様々な変化が、ストレスの原因になるのです。
たとえば、進学や就職、結婚、出産といった喜ばしい出来事でも、変化であり刺激ですから、実はストレスの原因になります。ライフスタイルはこころの健康にも大切 -生活習慣
ストレスと上手につきあうには、まず毎日の生活習慣を整えることが大切です。
バランスの取れた食事や良質の睡眠、適度な運動の習慣を維持することが、こころの健康の基礎固めになります。
また、ストレスがたまったときの対策として、日常生活の中で、リラックスできる時間をもつことも大切です。
ゆっくりと腹式呼吸をする、ぼんやりと窓の外を眺める、ゆったりお風呂に入る、軽く体をストレッチする、好きな音楽を聴くなど、気軽にできることをまずやってみましょう。
ただし、お酒を飲んでつらさを紛らわせようとすると、睡眠の質が低下し、こころも不安定になることがあるので気をつけましょう。
頭を柔らかくしよう -考え方
ストレスを感じているとき、私たちは物事を固定的に考えてしまうことがあります。たとえば、「必ず、○○をしなければならない」と考えていて、それがうまくいかないときには強いストレスを感じてしまうでしょう。問題点や良くないことばかりに注目しがちになります。 そんなとき、良くないことばかりではなく、実際にできていること、うまくいっていることに注意を向けるのもよいでしょう。考え方やものの見方を少し変えてみるだけで、気持ちが少し楽になることがあります。 引用ここまで
私は個人的に、 ストレスとは自分の価値観と環境とのズレ、と考えています。
多くの場合、人間関係を始めとした自分の環境はなかなか変えることができません。
だからストレスを解消するには自分の価値観を変えるか、その環境から逃げ出すのが手っ取り早い方法です。
個人相談では、価値観に固執する、でも環境から逃げ出すこともできない、という方が多く見受けられます。
これも脳の性質なのですが、 脳は統一性・一貫性を好みます。
だから自分の価値観はコロコロ変えない、自分への評価を気にしすぎるから逃げ出すこともできない、と脳の決定のまま思考や言動を開始します。
そのほうが脳は安心していられるからですが、結果として不安を大きくすることにつながります。
もちろんそんなことは誰も気づいていません。
くどいくらいお伝えしていますが、脳は不安や不快を嫌い、安心や心地よさを求めるという欲求を持っています。
その欲求に沿うように思考が働きますので、脳が安心を求めた結果不安が広がるという矛盾が生じることもあります。
自分の価値観に固執しない。
嫌な環境からは逃げる。
ことに思いが巡るだけでも気持ちは楽になります。
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