不安で動けないのは普通。その思い、仏教では“恐”や“疑”という煩悩なんです

原始脳のお話

不安で前に進めないのは、あなたが弱いからではありません

「なにか新しいことを始めたいのに不安で動けない」
「失敗したらと思うと怖くて仕方ない」
「一歩踏み出したいのに、心がブレーキをかけてくる」

そんな経験、誰しもあると思います。
実はその感情、仏教でははっきり名前がついているんです。


その思いは仏教で言うところの「恐(く)」と「疑(ぎ)」という煩悩のことです

「恐(く)」は、未来の不確実性や危険を恐れる心。
「疑(ぎ)」は、自分や物事に対して疑いを抱き、前に進むのをためらう心です。

たとえばこんな風に思っていませんか?

  • 「うまくいかなかったらどうしよう」
  • 「私にできるだろうか?」
  • 「誰かに否定されたら怖いな」

これらはすべて、「恐」や「疑」という本能的な煩悩から生まれる自然な反応なのです。


原始脳が“危険”と判断してブレーキをかけている

私たちの脳には「原始脳」という、本能を司る部分があります。
ここは、昔の人類が野生で生きていたころに命を守るために発達しました。

「知らないこと=危険かもしれない」
「変化=身の危険があるかもしれない」

そう判断して、あなたを守るために“動くな”と命令しているのです。

つまり、不安は「本能が正常に働いているサイン」。
決して「心が弱いから」ではありません。


解決法:原始脳の“声”に気づいてあげる

不安から抜け出す第一歩は、自分の中にある「恐」と「疑」に気づくこと。

「今、不安を感じているのは原始脳が過去の経験から危険と判断したからだな」
「これは煩悩の“恐”と“疑”が働いている状態なんだ」

と気づいてあげるだけで、理性が戻ってきてバランスが取れるようになります。


理性の脳(人間脳)を動かす問いかけ

自分にこんなふうに問いかけてみてください。

  • 「その不安、今すぐ現実になること?」
  • 「その最悪の未来、確率で言うとどれくらい?」
  • 「もし失敗しても、やり直せるんじゃない?」

こうした問いかけは、理性の脳(前頭葉)を刺激し、暴走している原始脳を落ち着かせる手助けになります。


恐れや疑いは、実は「変わりたい」という気持ちの裏返し

不安になるのは、**「このままじゃダメかも」**と感じているからこそ。
心の奥では「変わりたい」「挑戦したい」と思っている証でもあります。

つまり、あなたの中にはちゃんと希望の芽があるのです。
「恐」や「疑」はその芽を守ろうとしている“警報装置”のようなもの。
必要以上に責めることはありません。


最後に伝えたいこと

人生を楽しむには、不安を消し去るのではなく、
「それでも一歩踏み出せる自分」を育てていくことが大切です。

仏教で言うところの「恐」や「疑」という煩悩は、
あなたを守ろうとする働きでもあります。

ただ、それが強くなりすぎると、
「人生が動かない」という別の苦しみを生んでしまう。

だからこそ、自分の中の声に気づいて、
優しく「大丈夫だよ」と言ってあげてください。

あなたはきっと、大丈夫です。


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🍀 次回予告

次回は、「他人の評価ばかり気にしてしまう」という悩みをテーマにお届けします。
この感情にも、ちゃんと名前があるんです。

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