競争に優位性を求めるのは原始脳の影響です。
常に人より優位に立っていないと安心できなかった原始時代の名残が、多くの人を競争に駆り立てます。
自分の力で優位に立てそうにないと、人を不快にさせる言動をしてしまいます。
その結果として人間関係が悪くなり、人生から楽しさが奪われます。
思考が原始的な脳の否定的な側面に影響を受けると、他人を不快にさせる行動や言葉を選ぶ理由を考えてみましょう。
1. 闘争・逃走反応
原始的な脳、特に扁桃体は、脅威に対する即座の反応を司る部分です。
この反応は闘争か逃走を選ぶシステムであり、危険を回避し生存を確保するために進化しました。
この機能が過剰に働くと、些細な不安やストレスでも他者を敵とみなすようになり、攻撃的な行動や言葉を取ることがあります。
これが他人を不快にさせる要因となります。
2. 競争意識と縄張り意識
原始時代では、生存のために限られた資源を巡って他者と競争しなければなりませんでした。
この競争意識は現代でも残っており、他人に対する嫉妬や対抗意識、優位性を示すために攻撃的な言動を選ぶことがあります。
例えば、職場での昇進を巡る競争では、同僚に対する嫉妬が生まれ、優位性を示すために攻撃的な言動を取ることがあります。
具体的には、他の人の成果を貶めるような発言をしたり、協力を拒否して孤立させる行動が見られます。
このような行動は、自己防衛や優位性を保つための本能的な反応とも言えます。
本能の反応に任せると不快感を与える原因となります。
3. 社会的地位と評価への過敏さ
人間は社会的な動物であり、原始的な脳は自分の地位や評価に敏感です。
特に否定的な感情や考えに支配されると、他人からの批判や拒絶に対して防御的な姿勢を取るようになり、その結果として攻撃的な行動や言葉が出やすくなります。
これは、自分が傷つかないようにするための無意識の反応ですが、他人に不快感を与えることになります。
4. 感情の調整機能の低下
原始的な脳が強く反応する状況では、理性的な思考を司る前頭前皮質の働きが弱まります。
これにより、感情のコントロールが難しくなり、怒りや苛立ちが直接的な言動に表れやすくなります。
結果として、相手を傷つけたり、不快にさせたりする行動や言葉を選んでしまう可能性が高まります。
5. 共感能力の低下
原始的な脳は自己防衛や自己保存を優先するため、他者への共感や思いやりを欠くことがあります。
特にストレスを感じているときや脅威を感じているときは、他人の感情を考慮することが難しくなり、無意識のうちに攻撃的な言葉や行動を取ることが多くなります。
これらの要因により、原始的な脳の否定的な側面に影響された思考は、他人を不快にさせる言動を引き起こすことがよくあります。
現代社会では、これらの反応を認識し、制御することが重要であり、そうすることで、他人とのより良い関係を築くことが可能になります。
過剰な競争意識を和らげる方法
お伝えしたように、競争意識から優位性を求めると、他人を押しのけたり、不快にさせる言動が生まれがちです。
これは、原始的な脳が「生存のために他者より優位に立つ必要がある」と感じるためです。
特に現代社会では、この競争意識が過剰に働き、他人を傷つけたり、自分自身もストレスを抱える原因になります。
しかし、「人生を楽しむ」という心構えは、この過剰な競争意識を和らげる重要な鍵です。
楽しむことに焦点を当てると、他者との比較や優劣の追求よりも、自分が何をして幸せを感じるのかに意識が向きます。
これにより、自然と自分のペースで成長や成功を追い求めることができ、他者を敵視したり、不快にさせる言動が減ります。
また、楽しむことに集中することで、心が柔軟になり、他者の成功や幸せを受け入れやすくなります。
競争の場にいても、周囲の人々と協力しながら楽しむことができるようになり、結果として人間関係が円滑になり、自己満足感も高まります。
最も大切なことは、人生の本質は競争ではなく、いかに自分自身が充実した時間を過ごせるかにあることを理解することです。
原始脳の働きに任せ、他者との競争で苦しむなんて、人生の本質から遠く離れた行為だと気づきましょう。
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