脳の支配はなぜ起きるのか

将来が不安

不安は脳の仕掛ける罠

あなたが不安を感じるのは脳の仕掛ける罠です。

罠にかかると不安の連鎖に入り込んでしまいます。

不安の正体は「分からないこと」です。

あなたの脳は「分からないこと」に対して不安を抱きます。

哺乳類(ほにゅうるい)が誕生したのは6600万年以降、人類が誕生したのは、ほんの20万年前です。もし地球の46億年の歴史を1年間におきかえて考えると、人類誕生は12月31日の午後11時37分となります。違うたとえをすると、あなたが46億円を持っていると想像してみてください。その中から20万円を支払うとしたら、安く感じる人が多いのではないでしょうか。そう、人類は地球史の中では生まれたばかりのニューフェイスなのです。地球の生物は最近の6億年間では少なくとも5回、大規模な絶滅を経験しました。私たち人類を含む、現在の地球に生きる生物種は、地球のダイナミックな環境の変化を生き延びて多様化し進化したサバイバーたちだと言えるでしょう。

https://www.jamstec.go.jp/sp2/column/04/

私たちの祖先は何千年にもわたって生き延びてきました。

もちろん環境に適応するような進化も必要だったでしょうが、不安や不快も大切な要素だったと考えることができます。

不安や不快があったからこそ外敵や環境の変化から身を守ることができたのです。

生き延びるために私たちの脳は、

不安や不快を嫌い、

安心と心地良さを求めるという欲求を手に入れました。

私たちはこの基本的欲求が脳にインストールされた状態で生まれてきます。

成長につれてカスタマイズされますが、基本的欲求の性質が強化されるものの、弱まることはありません。

将来の不安を感じるのは脳に基本的欲求がインストールされているから

もちろんこのことはあなただけでなく私も、その他すべての人にも、そして犬や猫といった動物にも当てはまります。

家を作り、道具を使うようになった7万年前でも、不安や不快は身を守る大切な性質だったはずです。

翻って現代を見てみると・・・

物陰に潜む猛獣もいないし、飢える心配もそれほどないし。

高度な知識を手に入れた人間の不安は当然高度なものに向きます。

つまり将来への漠然とした不安ですね。

知識を手に入れたがゆえに、反対に分からないことが増えるのです。

というのも、私たちの周りには分からないことがたくさんあるからです。

分からないことが増えると不安に感じることも増えます。

例えば、

なぜ生まれてきたのか、死んだらどうなるのか、なぜ病気になるのか、明日はどうなるのか、仕事がうまく行くのか、結婚できるのか、そして

幸せになれるのか。

ちょっと考えれば分かるのですが、これらはすべて「分からないこと」ですね。

私たちの世界は分からないことで満ちています。

ということは、私たちの周りは不安で満ちているということにほかなりません。

どうせ分からないことなんだから、考えなければいいじゃないか、なんてことにならないのが脳の罠なのです。

なぜなら、あなたの思考はあなたの脳に支配されているからです。

あなたの思考はあなたの脳に支配されている

1983年にアメリカの生理学者ベンジャミン・リベットが行った実験の結果、我々には自由意思と呼べるものはないと発表しました。

「自由意志」とは人間が自己の判断に対するコントロールを行うことができるという仮説。この「自由意志」に関する論争を巻き起こした実験は、1983年にまでさかのぼる。カリフォルニア大学サンフランシスコ校の生理学者、ベンジャミン・リベット(1916 – 2007)は、人間がある動作をしようとする「意識的な意思決定」以前に、「準備電位(Rediness Potential)」と呼ばれる無意識的な電気信号が立ち上がるのを、脳科学的実験により確認した。

https://www.aiiv.jp/free-will/

私たちが思考など何かをする前に脳は働きを始めていることから、我々が意思決定をする前にすでに脳内では決定がされていて、その決定を認識しているに過ぎない、という趣旨です。

脳神経学的には長年にわたり追試験が行われ、同じ結果が出たことから、思考より早く脳は働くと確認されています。

もちろん、自由意志というものの定義が仮説であることから反対意見もあるのですが、私はパニック障害で苦しんだ経験から、自分の思考よりも脳の方がはるかに優位だと確信しています。

経験された方は分かるでしょうが、パニック障害の最大の症状は不安です。

無理やり押し付けられるような不安がたまらなく嫌でした。

何度も思考をそらそうとするのですが、はるかに強く不安を押し付けられるたびに、これは脳の故障以外の何者でもないと思うことになりました。

余談ですが、そのことが私を脳の世界へと引き込む原因となったのですから、今となっては良い出来事だったと思っています。

思考よりも強い力で脳は働きかけてくるのですから、あなたが考えまいとしても頭をもたげてくる不安を感じてしまうのは仕方のないことなんです。

では不安を感じるのはどうにもならないのか?

将来の不安は消すことができる

私たちの自由意思が完全に脳のコントロール下に置かれているのであれば、あなたが不安を感じるのは仕方のないことでどうにもならないことになります。

当然私のカウンセリングなど何の意味も持たないものになってしまいます。

思考よりも脳が優位だと確信してはいたものの、ベンジャミン・リベットの論文に触れた時にはうれしさだけでなく残念な気持ちも同時に湧いてきました。

うれしさは自分の持っていた確信が科学的に証明されたこと。

一方残念な気持ちは、すべての思考が脳の決定に逆らえないのであれば、何をどう言ったところで人は変わることができないということだからです。

人は脳の命令により不安や不快から逃れたがり、安心と心地良さを求めるだけの存在であるなら、人は死ぬまで悩みや苦しみを抱えて生きなければならない生き物だということになります。

なぜなら、脳の基本的欲求には人の幸せを求めるプログラムが入っていないからです。

脳の基本的欲求は生存にかかる欲求です。

幸せを求めるような高度な機能はまだ持っていません。

脳の基本的欲求だけに従って生きると、人生は悩みや苦しみの尽きない時間になってしまいます。

不安は尽きることがないからです。

次から次とあなたの心を悩ませるからです。

安心を求めても安心することはありません。

一時的な安心はあっても、次に何か問題が起きると一気に安心は吹き飛びます。

心地良さを求めすぎると依存症で苦しむことになります。

当然将来の不安は何歳になっても尽きることはないでしょう。

本当に私たちは脳に支配された動物のような存在なのか?

私のカウンセリングで立ち直り、楽しい人生を取り戻した人たちはどうやって脳の支配から逃れることができたのだろうか。

新しい疑問でした。

脳の優位さを理解し、うまく対処すれば不安や不快に心を明け渡さないで済むことはカウンセリングの経験上分かっていましたが、体系づけられてはいませんでした。

そんな時偶然に一つの論文に出会います。

ドイツのベルリン大学附属病院のチームが、脳の命令に逆らって思考を取り戻すことができるという趣旨の論文を2015年に発表していたのです。

脳の命令に意識して逆らうことができると分かれば後は簡単です。

では、私が提供しているカウンセリングの流れです。

1. 私たちの脳は、不安や不快から逃れたい、安心や心地良さを求めたいという基本的欲求を備えていることをしっかりと理解する。

2. 脳の持つ基本的欲求に支配されると不安が消えることはないことを理解する。

3. 分からないことに不安を感じることを理解する。

4. 分からないことを考えると不安になるから考えないようにしていると理解する。

5. 集中して考えると脳の支配から逃れることができることを理解する。

6. 集中して考えると必ず答えは見つかることを理解する。

7. 私たちにできることは目の前のことに力を注ぐことしかできないことを理解する。

8. 今の自分の生き方が未来の自分を作るという事実を理解する。

9. 幸せは自分で探すものということを理解する。

以上のことが理解できれば、将来の不安など取るに足らないものだということが分かります。

お伝えしたように、不安とは「分からないものに」抱く感情です。

将来に対する不安とは、まさに分からないものに抱く漠然とした感情です。

そこには脳の性質が大きくかかわっていますが、脳の使い方を訓練することで、脳の性質を超える力を出すことができます。

将来は自分の力で作り上げていくものですが、それには正しい脳の使い方を身に付けることが断然簡単です。

将来への不安より将来への希望を感じられる脳の使い方を練習してください。

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