脳のクセ には勝てない

幸せになる新しい方法

原始脳と戦おうとしても勝てない

少し進化が進んでいる人は自分の脳の矛盾に気づきます。

自分の頭の中で原始脳と考える脳が戦っているのを感じることができるからです。

すると、自分の汚い部分は自分の脳から出ていると理解できます。

次第に、なんとかその汚い部分をなくそうと考えるようになります。

つまり原始脳の支配から流れようとするのです。

でも・・・

ほとんどの場合この試みは失敗に終わります。

仏教で言われている「煩悩」を退治しましょう、ということと同じだからです。

仏教の教えに触れた人がどこまで行っても結局は心の平安にたどり着けないのと同じです。

こう言うと、「そんなことはない、私の心は平安にたどり着いています」と反論される方がおられます。

心の平安にたどり着くと、原始脳に支配されていない訳ですから、自分がなんと言われようとひっかることはありません。

いかに口で心は平安ですと言ったところで、誰かの言葉に反応してしまうのは心が平安でない証拠です。

現代の日本に存在するほとんどの、「心の平安」に関する説は、欲望のコントロールや、怒りのコントロールなど、心をいかに上手にコントロールするかということに主眼がおかれています。

コントロールはなかなかできない。
そのできないことを頑張ってするのが修行だ。
コントロールができるようになるほど心は幸せを感じる。
考え方を変えよう。
出来事はポジティブにとらえよう。
自分を許してやろう。
自分は自分のままで良い。

例をあげればキリがないほどですが、そんな感じですね。

そんな言葉を聞くと心地よく感じませんか?

脳のクセは人より自分が優れていると思いたくてしょうがないのです。

そんな脳のクセにとって耳当たりの良い言葉は、どこまで頑張ろうと、自己満足でしかありません。

脳のクセの支配から逃れるには、自分の存在の本源を見つめることが不可欠です。

煩悩は原始脳から

原始脳から出る不安から逃れ、安心や心地良さを求めることから、仏教でいうところの煩悩が発生します。

煩悩とは、欲望や執着、嫉妬や怒りなどの負の感情や思考のことで、これらが人間の苦しみの根源になります。

では、どうして原始脳から不安が出るのでしょうか。

 

原始脳とは、人間の脳の中でもっとも古い部分で、生命維持に必要な本能や感情を司っています。

原始脳は、危険や不安を感じると、自分を守るために戦うか逃げるかの反応を起こします。

これは、生き残るために必要な反応ですが、現代社会では、この反応が過剰に働くことがあります。

例えば、仕事や人間関係でストレスを感じたり、自分の能力や価値に不安を抱いたりすると、原始脳は危機的な状況にあると判断して、不安を増幅させます。

この不安を和らげるために、人間は食べ物やお酒やタバコなどの快楽物質に走ったり、自分より劣っていると思う人を見下したり、自分より優れていると思う人に嫉妬したりするのです。

こうして煩悩は発生します。

煩悩は一時的に不安を紛らわせるかもしれませんが、長期的には苦しみを増やすだけです。

煩悩に振り回されることで、自分や他人に対する尊厳や愛情を失ってしまいます。

また、煩悩は満たされることがなく、常に新しい欲望や執着を生み出します。

そのため、煩悩に従っても幸せになることはありません。

ただし、原始脳は生き延びるために不安や不快を敏感に察知する能力を備えたのです。

だから半端な力ではありません。

生命にとって、生き延びることが最大の目的だからです。

生命にとっては、特に原始時代では幸せという気持ちより生き延びることが優先されるのは当たり前のことでした。

幸せより命が大事

原始時代というと、人間は自然の中で野蛮な生活を送っていたというイメージがありますが、実際にはどのような生活をしていたのでしょうか。

原始時代の人間は、現代の人間と比べて寿命が非常に短かったと言われています。

一般的には、20歳前後で死亡することが多かったと考えられています。

その理由は、病気や飢餓、捕食動物や敵対的な部族など、さまざまな危険にさらされていたからです。

原始時代の人間は、自分の身を守るために常に警戒し、食料や水を確保するために移動し、仲間と協力して生きることを必要としていました。

このような環境だから、幸せという感情よりも生き延びることが優先されていたのです。

 

もちろん、原始時代の人間にも愛や友情や楽しみなど、幸せを感じる要素は存在していたと考えられますが、それらは生存に直結するものではなかったので、優先順位は低かったと考えられます。

ネガティブさは命を守るのには都合が良いけれど、幸せを遠ざける。

ポジティブさは幸せになるには都合が良いけれど、リスクが大きい。

幸せを手に入れるには

まだ進化の途上である私たちは、原始時代の遺伝子が色濃く残っています。

だからネガティブになりやすく、言い訳を並べたり、人の悪口を言ったり、嫉妬したり、怒ったり、結果的には自分の幸せを損ねる言動をしてしまいます。

また深く考えることなくポジティブになろうとすると、人に騙されたり、健康を損ねたりする危険性があります。

現代に生きる私たちはまだまだ中途半端なんですね。

そんな中で、私たちが幸せを手に入れようとする時には不必要なネガティブに気づくことと、むやみにポジティブになろうとしないことが大切です。

今自分が抱えている不安が必要なものかを考えるだけでも人生は大きく変化します。

ネガティブ、ポジティブ、どちらの思いが湧いても少しの時間どうすれば自分や周りの人にとって最善なのか考えるようにしてみてください。

 

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