幸せのための0.2秒 

原始脳のお話

幸せのための0.2秒

幸せになるために0.2秒がある

私たちの思考は私たちの脳に支配されていることは多くの脳神経学者の認めるところですが、脳の決定後0.2秒内であればその決定に逆らうことができるとの研究結果があります。

もし被験者らが、脳の決定の初期において、自身の脳の準備電位により予測された動作を拒否することができたなら、われわれは「生体学的な操り人形」ではなく、自由意志による意識的な制御ができるという証拠になる。

そして今回の実験によって示されたのは、まさに脳からの司令を拒否するのは可能だということである。ただし、後戻りできないポイントというのは確かに存在する。実験では、ボタンを押す約0.2秒前までならば、動作を中断、または拒否することが可能であったという。0.2秒を下回ると、ボタンを押す動作は止められなかった。

つまるところ、生体的な脳の決断後には、われわれの自由意志が入り込む隙があるということだ。脳は、現在の問題を素早くインプットし、過去の記憶や経験により形成された配線を通して、決断としてアウトプットする。脳が経験した過去の全てを知り得たならば、予測することが可能だろう生体的判断は、「意識をもつわれわれ」によって拒否できるということだ。

引用元

「自由意志」は存在する(ただし、ほんの0.2秒間だけ)

ほとんどの人は気付いていないのですが、私たちの脳は私たちが思考する前に活動を開始します。

私たちが何かを決定したと思っているのは誤りで、原始脳の決定が意識下に現れているだけです。

認めようと認めまいと、このことは脳神経学の定説で(もちろん反対意見もあります)、とても不愉快なことですが、私たちの思考は原始脳に支配されていることになります。

私はパニック障害の経験から、脳が思考に対してかなりの優位性を持っているのを実感していましたから、この説に接してもさほど混乱することはありませんでした。

むしろ、「やっぱりそうだったんだ」という感覚の方が強かったと記憶しています。

ただ、脳がいかなる場合でも優位だと考えると、自分の感覚とのずれが説明できません。

パニック障害で苦しむ日が数か月続いたあと、大きな安心感と幸福感を得ることができた瞬間に、パニック症状に関する原始脳の優位性は失われていたからです。

パニック症状の最大のものは強い不安です。

死を連想させる強い不安が押し付けられ、どんなに思考で振り払おうと思っても無理で、生活がズタズタになります。

そうなるとすがれるものにはすがりたいと、病院から宗教まで端から試す日々を送りました。

ある日、大きな絶望感からもう何かに頼るのは止めようと決心し、自分の中でタブーだった「死」について考え始めました。

そして、

自分が生きているのは自分の背後にある大きな力があるからだということを知った瞬間に、安心と幸せを感じることができました。

それはとても神秘的な体験で、一瞬で死が怖いものではなくなり、いろいろな不安も消し飛び、喜びに興奮して寝付けないほどでした。

相変わらずパニック症状は続いたのですが、不安が押し付けられても反応しなくなりました。

それまでは不安を感じることに不安を持っていたのがウソのように、何に対しても不安を感じなくなったのです。

この自分の体験と、脳神経学上の定説のずれは説明がつきませんでした。

0.2秒は結構長い時間

そんなジレンマが解消したのが、ドイツのシャリテ病院の研究結果でした。

たった0.2秒だけど、私たちは脳の支配から逃れることができるという研究結果でした。

ドイツのシャリテ病院の研究

ようやく自分の体験が科学的な研究によって説明がつくようになったのです。

そして、スピリチュアルな体験ののち原始脳の優位性を超えることができたことが、不思議なことではなく誰にでもできることだと確信しました。

というのも、押し付けられる強い不安に対して「またか」という思いとともに「全然平気」と返すことができていたからです。

その体験から脳に対する興味が膨らみ、「脳と健康」そして「脳と幸せ」といったテーマに取り組むようになりました。

 

ほとんどの人は原始脳の決断が自分の決断だと勘違いしています。

だから脳の決断を疑うことがありません。

ところが、

脳の決断は原始脳の基本的欲求にしたがって出されるもので、必ずしも自分にとって最良のものとは限らないのです。

 

原始脳の基本的欲求は

不安と不快を嫌い、

安心と心地良さを求める

だけですから、出された決断が自分にとって良いか悪いかには関係がないのです。

良い例が犯罪!!

すべての犯罪の動機は原始脳の基本的欲求にあります。

原始脳の決断を疑うことなく受け入れてしまうことは、最悪の場合自分の人生を台無しにする危険があります。

 

自分の思考よりも原始脳は早く決断を下し思考をコントロールしています。

その事実を理解し、自分にとって最良の決断を下せるよう習慣化することが、あなたの幸せを実現するために絶対に必要なのです。

実際に自分の原始脳の決断に逆らって思考することに挑戦すると、0.2秒という時間はそれほど短くないことが分かるはずです。

 

それでも人は変われない

思考が原始脳にコントロールされているのは科学的な裏付けのある事実です。

そして原始脳の決断のまま生活すると、あなたの幸せは出来事に依存するだけのおぼつかないものになります。

思考を取り戻せば、自分にとって最良の決断を下せることになりますし、この世界の出来事の背後にある大きな力に気付くことができます。

にもかかわらず、人はなかなか変われないのです。

なぜなら、自分のことと思っていないからです。

思考が原始脳にコントロールされていると聞いて、自分のことではないと思った人は原始脳にコントロールされていると思って間違いありません。

原始脳は不安や不快を嫌いますから、思考が原始脳にコントロールされていると聞いた瞬間に自分のことではないとの決断を下し思考に伝え、思考は都合の良い理由付けをしてしまいます。

心から幸せになりたいすべての人に

せっかく生まれてきたからには幸せになりたいと思うのが自然なはずです。

でも原始脳の言うことを聞いていたら、幸せになるのは困難なことです。

あなたの原始脳はあなたの幸せには関心がないし、そもそもあなたを幸せにする仕組みを持っていません。

原始脳はただただ欲求に従って思考をコントロールするだけです。

なぜなら、原始脳は生き延びることを最大の目的としているからです。

 

思考が原始脳にコントロールされているという事実を無視し、思考を取り戻そうとしないことは「幸せ」を放棄したと思ってください。

もしあなたが心から幸せになりたいと思うのであれば、0.2秒への挑戦など簡単なことです。

幸せな人生を手に入れるために、ぜひ0.2秒に挑戦してみてください。

 

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