私たちが生き辛さやしんどさを感じるとき、 その原因は「出来事」ではなく、 原始脳=本能=無意識の働きにあります。
無意識脳は、生き延びることだけに特化した脳です。 そのため、安心や安定を求め、 変化や不確定を「危険」と判断します。
この働きに気づいていないと、 私たちは「幸せには条件が必要だ」と信じてしまいます。
しかし、本当の幸せは、 外の条件が揃うことではなく、 心が動じない状態に戻れること。
ここからその仕組みを、やさしく紐解いていきます。
ポジティブシンキングは、シニアの心豊かな生活において重要な役割を果たします。
肯定的な思考は幸運を引き寄せると同時に、心理的な不安を減らす力を持っています。
人は生まれつきネガティブ
ポジティブシンキングは、特にシニアの方々にとって、不安やストレスを軽減し、心の健康を維持する効果的な方法です。
しかし、このアプローチを取り入れる際には、人間の脳が原始時代からネガティブな情報に敏感になるよう進化してきたという背景を理解することが重要です。
これは「ネガティビティバイアス」とも呼ばれ、危険を避け生き延びるための生存戦略として機能してきました。
例えば、昔の人々は、食物を探す中で毒のある果実を避ける必要があり、そのためにはネガティブな情報を優先的に記憶することが有利でした。
このため、現代人でも、ポジティブな出来事よりもネガティブな出来事の方が強く心に残りやすいのです。
だから、ポジティブシンキングをしようとすると心構えが必要です。
ポジティブシンキングはリスクもある
ポジティブシンキングの実践において考慮すべきリスクもあります。
ポジティブな考え方は、自信を高め、新しい機会に積極的に挑戦する姿勢を養う一方で、過度に楽観的な態度は、経済的な決断においてリスクをもたらすことがあります。
たとえば投資
投資の世界では、ポジティブシンキングが極めて重要です。
前向きな考え方は、市場の変動や不確実性を乗り越えるための精神的な支えとなり得ます。
例えば、ある投資家が新しいスタートアップ企業に投資することを決めたとします。
彼はその企業の将来性を信じ、成功するビジョンを持っています。
このポジティブな姿勢は、リスクを取り、投資を行う勇気を与えるかもしれません。
過剰な楽観主義
しかし、過剰な楽観主義は、重要な情報を見落としたり、現実的なリスク評価を怠ったりすることにつながります。
例えば、過剰な楽観主義は、そのスタートアップ企業の競争状況や財務状態についての警告信号を軽視してしまうかもしれません。
ポジティブな考え方は、現実よりも理想的な未来を重視し、結果として財務的な損失に繋がる可能性があります。
より深刻な問題: 詐欺への脆弱性
ポジティブシンキングは、時には詐欺師に騙されやすい心理状態を作り出すこともあります。
楽観的な人々は、過剰な利益を約束する詐欺的な投資機会に対しても、疑問を持たずに飛びつきがちです。
これらの機会は通常、非常に魅力的に聞こえますが、現実的な根拠に欠けていることが多いのです。
例えば、「毎月確実に高いリターンを得られる」といった非現実的な約束に対して、過度にポジティブな考え方を持つ人は、慎重さを欠いてそのような申し出に投資してしまうかもしれません。
ーーーーーーーーーー
脳は不思議なもので、ネガティブな反面自分は大丈夫と思う傾向も持っています。
ポジティブシンキングと自分は大丈夫という思いが重なると、現実逃避をしたり過度な期待を持ったりしてしまいます。
1. 現実逃避
ポジティブシンキングが過剰になると、現実からの逃避につながる可能性があります。
問題や困難に直面したときに、それらを無視して常に「ポジティブ」でいることは、問題の解決を遅らせ、結果的にさらなるストレスや不安を引き起こす可能性があります。
2. 不適切な期待の形成
極度に楽観的な態度は、現実と乖離した期待を生み出すことがあります。
特に健康や財務状況に関する決断を下す際に、過剰なポジティビティはリスクを見落とし、不適切な選択を促す可能性があります。
これは特に、新しい健康補助食品や投資機会など、誇大広告に簡単に影響されやすい場合に問題となります。
3. 対人関係における誤解
周囲の人々が抱える問題や苦痛に対して、過度にポジティブな反応を示すことは、共感の欠如と受け取られることがあります。
他人の感情や状況を真剣に受け止めずに、「ポジティブに考えるべきだ」と強調することは、時に人間関係の溝を深める原因となることもあります。
ーーーーーーーーーー
といったリスクはあるものの、ポジティブシンキングはシニアにとって楽しい時間を過ごすツールになります。
簡単にポジティブシンキングを引き出す方法をお伝えします。
✔ ポジティブな自己対話
原始脳は不安や不快に敏感に反応することで生き延びてきたことで基本ネガティブです。
原始脳によるネガティブな思考パターンに気づいたら、意識的にポジティブな自己対話に切り替えます。
たとえば、「できない」と思う代わりに、「とりあえずやってみよう」と考えるようにします。
✔ 成功体験の意識化
過去の成功体験や小さな達成を思い出し、「なんだかんだよく頑張ってきたな」と思うことも大切です。
ポジティブシンキングの実践
✔ 感謝の習慣
毎日、感謝できることを見つけ、それを記録する習慣を身につけます。
これは、肯定的な感情を育て、幸運感を高めるのに役立ちます。
✔ 楽観的な将来設計
長期的な視野で、楽観的な将来像を描きます。
これにより、目標に向かって前向きな気持ちで進むことができます。
新たな活動への積極的な姿勢
新たな趣味や活動に挑戦することで、新しい情熱を見つけ、ポジティブなエネルギーを生み出します。
もちろん新しいことでなくても構いません。
とにかく楽しめる時間を持つことが心を開放し、ポジティブな思いを持つことにつながります。
ーーーーーーーーーー
シニア期において、ポジティブシンキングを実践することは、幸運を引き寄せ、不安を減らすための重要な手段です。
お伝えしたようなリスクを考慮に入れ、努めてポジティブに出来事をとらえることが幸福感を増し、楽しい時間を過ごすことにつながります。
私たちは生まれつきネガティブですからいろいろな出来事に対してネガティブな反応をします。
でもちょっと考えてみると・・・
シニアになってもせめて生きている間は楽しい時間を過ごすほうが良いじゃないかと思えますよね!
そーなんです。
結局のところ、一度きりの人生を、どう楽しく過ごしていこうかとしっかりと考えることがポジティブシンキングを生むことになるのです。
まずはネガティブに引きずられないように気を付けることから始めてみましょう。
関連記事:こちらもお読みください
私たちが生き辛さやしんどさを感じるとき、 その原因は「出来事」ではなく、 原始脳=本能=無意識の働きにあります。 無意識脳は、生き延びることだけに特化した脳です。 そのため、安心や安定を求め、 変化や不確定を「危険」と判断します。 この働きに気づいていないと、 私たちは「幸せには条件が必要だ」と信じてしまいます。 しかし、本当の幸せは、 外の条件が揃うことではなく、 心が動じない状態に戻れること。 ここからその仕組みを、やさしく紐解いていきます。

コメント